近年、神社での撮影は難しくなってきています。マナーのよくない撮影がニュースで取り上げられるようになり、カメラマンによる撮影を断る神社も出てきました。
この記事は、私たちが神社での撮影についてのセミナーに参加して、直接うかがった内容をまとめたものです。
読んでいただくと、神社で参拝するだけでなくご祈祷を受ける意味と、ゆっけフォトがご祈祷中の撮影をしないと決めた理由が分かります。
うかがって、いちばん重かったこと
神社で撮るときの土台
- 境内は、神様のいらっしゃる場所。撮影スタジオではありません
- ほかの参拝の方も、同じ場所を使っています。撮る人だけの場所ではありません
この2つが分かっていれば、細かい作法は自然についてきます。逆に、ここが抜けていると、作法だけ覚えても浮いてしまいます。
先に書いておきます。この記事は、知らなかった方を責めるためのものではありません。私たちも、教わるまで知らないことばかりでした。参道の真ん中を歩いていたこともあります。
知らなかったことは、悪いことではありません。知ったところから気をつければ、それで十分です。
参道の真ん中は歩かない
鳥居をくぐるとき、そして参道を歩くとき、真ん中は避けます。
参道の中央は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様の通り道とされているからです。人は端を歩きます。
写真を撮るときこそ、ここを忘れがちです。参道の真ん中に立ってもらうと、鳥居が背景にきれいに収まります。構図としては正解でも、作法としては正解ではありません。
私たちは、少し斜めから撮るか、鳥居をくぐる手前で撮ります。それでもいい写真は撮れます。

手水舎で身を清める
参拝の前に、手水舎(てみずや)で手と口を清めます。
- 右手で柄杓を持ち、左手を清める
- 持ち替えて右手を清める
- 右手に持ち替え、左手に水を受けて口をすすぐ
- もう一度左手を清める
- 柄杓を立てて、柄に水を流す
柄杓に直接口をつけないことだけ覚えておけば大丈夫です。小さなお子さまは、手を清めるだけでも構いません。
参拝とご祈祷は、意味が違う
七五三やお宮参りで神社に行くとき、「参拝」と「ご祈祷」は別のものです。
| 参拝 | 拝殿の前で、自分で手を合わせてお参りします。予約も初穂料も要りません |
|---|---|
| ご祈祷 | 受付をして殿内に上がり、神職の方が祝詞(のりと)を奏上します。願いを神様にお伝えしていただく形です |
ご祈祷は、神職の方が間に立って、ご家族の願いを神様に取り次いでくださる時間です。お子さまのお名前と住所を読み上げていただき、「この子が無事に育ちますように」とお伝えする。その場にいるのは、ご家族と神職の方と、神様だけです。
この違いが分かると、次の話がすんなり入ってきます。
ご祈祷中は撮らない
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
ゆっけフォトでは、神社の許可が下りる場合でも、ご祈祷中の撮影はお受けしていません。
なぜ撮らないのか
ご祈祷は、神様と向き合う時間です。神職の方が祝詞を通して、ご家族の願いを神様にお伝えしている、その最中です。
神聖な場所で、その時間にレンズを向けるのは、礼を欠くと考えています。撮れるか撮れないかではなく、撮らないと決めました。
この方針は、お客さまにとっては「できないこと」が増えるだけかもしれません。それでも、ここは譲らないことにしました。
そのかわり、ご祈祷の前と後を厚く残します。受付で申込用紙を書いているところ、待っているあいだの表情、終わって出ていらしたときの安心した顔。写真の枚数が少なくなることはありません。
神様より高い位置から撮らない
セミナーで教わったなかで、いちばん基本になる考え方です。
社殿より高いところにカメラを構えない。脚立に乗る、高い場所から見下ろすように撮る——こうした撮り方は避けます。
言われてみれば当たり前ですが、いい構図を探しているときほど、忘れます。「もう少し高い位置から撮れたら」と思った瞬間に、そこが神様の頭上かどうかを考える。それだけのことです。

境内のものを壊さない
これも、実際に注意されている例として教わりました。
| 石の上に乗る | 景色がよく見えるからと石に乗り、そこに生えていた苔を剥がしてしまう |
|---|---|
| 草を抜く | 写り込みが気になるからと、生えている草を勝手に抜いてしまう |
| 枝を折る | 邪魔だからと、木の枝を曲げたり折ったりする |
どれも「いい写真のため」にやってしまうことです。そして、どれも取り返しがつきません。剥がれた苔は、何年もかけて戻ります。
境内のものは、動かさない。それだけです。邪魔なものが写るなら、立ち位置を変えます。カメラマンが動けば済む話です。

カメラマンの服装
意外に思われるかもしれませんが、撮影する人の服装も作法のうちです。
スーツ、またはそれに合う服装。ご家族は晴れ着や礼服で、神様の前に立っています。そこにカメラマンだけTシャツとサンダルでは、場が締まりません。
動きやすさは必要ですが、ご家族と同じ場に立つ者として、恥ずかしくない格好で伺います。
ほかの参拝の方に譲る
神社によっては、撮影について掲示が出ています。書かれていることは、だいたい同じです。
- カメラマンは、撮影の前後に受付へひと声かける
- 場所を長く占有しない
- ほかの方のご迷惑にならないよう、譲り合って撮影する
つまり、その場所は、あなただけのものではないということです。
私たちは一ヶ所で粘りすぎないようにしています。「もう一枚だけ」を重ねると、あっという間に人を待たせます。3〜4ヶ所を回って、それぞれで手早く撮る。結果としてお子さまも疲れません。
御朱印は、最後に持っていくもの
最後に、教わって忘れられなかった話を書きます。
御朱印について教わったこと
御朱印は、亡くなったときに棺に入れてもらうものだと教わりました。
閻魔様の前に立ったとき、御朱印帳があれば「この人は生前、これだけ神様や仏様に手を合わせてきた」という判断材料になるのだそうです。少しは良い行いをしてきた証になる、と。
スタンプラリーのように集めるものではなく、参拝した証。そう聞いてから、御朱印をいただくときの気持ちが変わりました。
七五三やお宮参りで神社に行かれるなら、御朱印もいただいておくといいと思います。お子さまが大きくなったとき、「あなたが3歳のとき、ここにお参りしたんだよ」と見せられるものが、写真のほかにもう一つ増えます。
ゆっけフォトが決めていること
神社での撮影について
- ご祈祷中は撮影しません。神社の許可が下りる場合でも撮りません
- 受付には、カメラマンがお伝えします。ご家族にしていただくことはありません
- 一ヶ所で粘りません。ほかの参拝の方をお待たせしない進め方をします
- 境内のものは動かしません。邪魔なものがあれば、こちらが動きます
- 服装を整えて伺います。ご家族と同じ場に立つ者として
撮れる枚数を増やすことより、その日を気持ちよく終えていただくことを優先します。神社は、これからも何度も足を運ぶ場所です。「あの人たち、感じが悪かった」と思われる撮影は、したくありません。
よくある質問
知らずに参道の真ん中を歩いていました。失礼でしたか?
大丈夫です。真ん中は神様の通り道とされているので端を歩くのが作法ですが、知らずに歩いた方を咎める神社はありません。次から端を歩けば十分です。お子さまと手をつないでいて端に寄れないときも、無理をなさらないでください。
カメラマンの撮影許可は、こちら(依頼者)側で取る必要がありますか?
ご家族が取られる必要はありません。神社によって手続きが違いますが、受付で「これから撮影します」とお伝えするのは、カメラマンの役目です。ご家族は参拝に集中していただいて大丈夫です。
ご祈祷の様子は、本当に撮れないのですか?
はい。神社が許可される場合でも、ゆっけフォトではお受けしていません。ご祈祷は神様と向き合う時間で、そこにレンズを向けるのは礼を欠くと考えているためです。そのかわり、ご祈祷の前と後を厚く残します。
ご祈祷は受けずに、お参りだけでも撮ってもらえますか?
はい、大丈夫です。ご祈祷は必ず受けなければいけないものではありません。参拝だけのご家族も撮影しています。ただし境内で撮影できるかどうかは神社によって違いますので、行き先が決まりましたらご相談ください。こちらで確認します。
家族が自分のスマホで撮るのも、気をつけることはありますか?
参道の真ん中に立たない、ほかの参拝の方を待たせない、境内のものを動かさない。この3つを守っていただければ十分です。ご祈祷中の撮影は、神社によって禁止されていることが多いので、事前にご確認ください。
子どもが走り回ってしまいます
とても元気があって、走っている姿もいい写真になります。ですが、石や柵によじ登ったり、お社の中に入るのだけは、神社を傷つけてしまったり、怪我のもとになってしまいますので、止めていただけると助かります。
三脚は使いますか?
ゆっけフォトでは基本的に手持ちで撮影しますので、三脚は使用しません。
※この記事は、神社での撮影についてのセミナーで神社の方から直接うかがった内容と、各神社の掲示・公式サイトの案内をもとに書いています(2026年8月時点)。作法は神社によって異なる場合がありますので、迷ったときはその神社にお尋ねください。本文中のイラストは、特定の神社ではなく、架空の神社を描いたイメージです。御朱印についての言い伝えは、うかがったお話をそのまま記載しています。
